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【5000hit記念】がらくたポエマーⅡ・あとがき


    事意味






 今回の記念小説はどうだったでしょうか?
 前作と比べて、カラー挿絵多めになっております。
 感想があれば是非コメントしてくださいね~


 今回は、琴美(豆島さん)がメインのお話となりました。
 これは大分前から決まっていたのですが、話の展開が決まったのは最近です。詩の勝負も、最初の構想では無かったのですが、そうなると物語のメリハリに欠ける可能性が高かったため前回に続いて採用致しました。

 麗音の詩は、今回も難関の1つに挙げられます。
 優秀な作詩家であるので、難解な感じを持たせる必要があるのですが、同時に欠点を感じさせるものしする必要もあり、読まれた方がどう解釈するかは前回同様中々予想できないものがありました。麗音の詩は、ネガティブな印象が漂うので、普通に読むと、琴美の詩の方が良い印象を受ける確率が高いと思われます。


 続編と言うものは、殆ど書いた事がないのですが、結構神経を使いますね!
 自分で見返しても、まだまだ色々入れ足りないところが見受けられます。もっと深い人間ドラマを描けるようにこれからも頑張って行きたいと思います。


 当物語は、まだ続編の構想があります。
 今回も相変わらずだった麗音ですが、次章以降はついに大きな変化が見られそうです。ちなみに、今回の物語で分かったかもしれませんがどうやら彼は琴美の事が……





 
 
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【5000hit記念】がらくたポエマーⅡ⑫(最終話)





麗音5のコピー


 背中を追っていたつもりだった。
 けれど、いつの間にか違う方向に向かっていた。

 厳しさ厳しさの先に掴みとれる物だと思っていた。
 優しさが、甘さになり詩を弱くすると思っていた。
 
 卑屈になっていた。
 人間である事を忘れているかのように。

 ならば、今一度確かめてみようじゃないか。
 

 「……わかったよ。」


 「麗音?」


 「この高校最後の一年、俺なりに優しくやってみるよ。俺なりにな。」


 「うん! それがいいよ!」
 琴美は嬉しそうに、にっこりと笑った。
 「一緒に良い思い出を残そうね! あーやとか皆と一緒にさ。」


 「ああ。これから、どんな詩が出来るか楽しみだな。面白くなりそうだ。」


 麗音は、空を見上げる。
 父の気配は消えたが、太陽はそこにあった。


空2

 七夕の夜は迫る。
 優しさが、詩にどれだけの力を与えるのか。
 見せておくれよ、がらくたポエマー達よ。

 <E N D>


【5000hit記念】がらくたポエマーⅡ⑫


琴美①のコピー


 「面白いさ。詩には、無限の可能性があるからな。」

 「そっか、それならよかった。」

 琴美の顔は小さく笑っていたが、何か悲しさの様なものを滲ませていた。
 麗音は足元の砂をじりじりと踏みつける。

 「麗音……」

 「何だ?」

 「優しく、なってもいいんだよ。」

 「何だ? その言い方は……今更、俺に指図する事に怖気づいたのか?」
  
 「そうだね、本当は麗音が自分で気付いた方が良い事なんだ。私が決めるべき事じゃないって、おこがましいかもって……でも、麗音ならきっと分かってくれるとも思った。麗音は、大丈夫だって。」

 「大丈夫? 何が……?」

 「優しくなっても、麗音の詩が衰える事はない。だから、大丈夫なんだよ。だって、あの優しいお父さんの子供なんだからさ。」

麗音6

 麗音の目がはっと開く。
 何かを思い出したかのように。

 「お前、父さんに会った事あったか?」

 「うん! 麗音は忘れてるかもしれないけど、何度かね。詩も、聞かせてもらったんだ。良い詩だったよ!」

 「そうだったんだな……」

 「あたし、あの時に麗音のお父さんの<クライネ>って詩を聞かなかったら。今は、ポエム部にいないかもしれないよ。」

 「それは、俺もだ。父さんが詩を教えてくれた。素晴らしさも、面白さも教えてくれた。……そうか、もう1つ教えてもらった事があったんだな。」

 「そうだよ!」琴美が顔を上げる。

 「昔、お父さんが言ってたよ。麗音は優しい子だって、大切なものを持ってるって。だから……」 

 「優しくなってもいい……か……」


 麗音は太陽の光と熱を感じた。
 それと同時に、懐かしい父の暖かさが体を包んだような気がした。




 

【5000hit記念】がらくたポエマーⅡ⑪


敗北宣言のコピー

 先に、言葉を発したのは琴美だった。

 「私は……今の私の詩、とっても良かったと思うな! 私はそう思う!」

 麗音はその評価を聞くや、「そうか。」と言い小さく笑う。
 「ははっ、やっぱりそう言う事だったわけだな!」  

 「麗音?」

敗北宣言②のコピー

 「俺の負けだよ、俺は今の俺の詩を高く評価する事は出来ない。」

 琴美は、それを聞いた瞬間表情が緩んだ。
 「やっぱり、そうだよね。あんたなら、絶対にそうすると思ってた。」

 「全部お前の目論見通りってわけか……琴美、こうなること、はじめからわかっていたんだよな? 俺が、こうなることを予想していたんだろ?」

 「まあね。麗音、あんたって他人にも厳しいけど自分に対してもすごく厳しいんだよね。厳しすぎるくらいに厳しいもん。今までだって、いっくら入賞してもそのこと全然自慢げに言う事無かったし。この詩はよくできた! って聞いたこと無かったもんね。」

 「よく、人の事を覚えてるもんだよ。……確かに、俺は未だに納得できる詩には行きついていない。功績も所詮は飾りだからな。審査員が物珍しさで評価つけたりしたが、まだまだ全然だ。……この結果に文句を言うつもりはないぜ。勝負は勝負だからな! それじゃあ、勝者であるお前の要望を聞こうか。やっぱり、亜々矢に優しくしろって事とかか?」

 「うん、勿論それもあるよ……」

 琴美は急に地べたに仰向けになって寝転んだ。そして両手を手を枕にして、青い空を見つめた。大きな息が天に昇る。麗音は、それにあわせて身をかがめる事はせず、立ったまま琴美を見下ろした。

 「おい、早く言えよ。もたもたするな。」

 「まあまあ、あせらないで。それよりさ、麗音。」

 「何だよ? まったく、じらしやがって……」

 「麗音って、詩を作るの楽しいって思ってる?」


【5000hit記念】がらくたポエマーⅡ⑩





 DSC00987.jpg




 「 Mute-Ⅰ 」  柿崎 麗音



 時の彼方が見えずに
 僕は自転車を降りてしゃがみこんだ

 古びたアスファルトに 影が滲む
 忙しい蟻の群が 列をなして進んで行く

 吹き付ける風の音が苦しくて 耳を塞ぎ目を閉じる
 眩しすぎた光景が 瞼(まぶた)の闇に霞んでいった
 
 今は 何も聞きたくない
 今は 何も見たくはない

 静寂を求め 
 ただ重力の赴くままに

 人間は直線的な生き者じゃない
 捻じ曲げられるアイデンティティが 
 擦れて火花を撒き散らす

 鳴り響く狼の声
 流れ出る灰色の汗と涙

 きっと 僕はまた そこに戻るだろう

 だから今は
 だから今だけは

 全ての音を 僕から消し去ってほしい


mute1.jpg


 「……以上だ。」

 麗音が詩を読み終えると、琴美はそれに対して拍手をした。
 そして、笑いながら彼に語りかける。

 「相変わらず、良い声だね。聞き惚れちゃうよ。」 

 「声を褒めるだけか。詩の方じゃないんだな。」
 麗音はツンとした態度だ。でも、内心少し照れた。

 「そりゃそうさ、今から評価するのに邪魔になるだろうからね。」

 「それはまた、気のきく事で。」

 「さて!」琴美はパンと手を叩く。
 「それじゃあ、お互いジャッジに移るとしましょうか!」 

 「そうだな……」


 2人は少しの間考える。
 琴美にとっても、麗音にとっても短い時間だった。
 
 










 
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